各支援者様におきましてはいよいよご清栄のこととお喜び申し上げます。日頃より、私ども社団法人仏教子ども救援基金に対し、ご支援・ご協力を承り厚くお礼申し上げる次第です。
さて社団法人「仏教子ども救援基金」は任意団体の時代も含めますと6年の歳月が過ぎました。発足のきっかけとなる東日本大震災の支援活動への取り組みと同時に、海外の子どもにも目を向けた宗派を超えた団体を夢見て、協力いただく寺院を増やしながら、活動も一層盛んにすることを願い、活動を始めました。約6年にわたる活動は東日本大震災での被災者支援、インドを中心とする南アジアの子ども教育支援が主な活動です。7年目を迎え、東日本大震災の被災者支援で今年になりようやく仮設住宅から一般住宅への転居がほぼ完了し、仮設住宅での当団体の活動も終了を迎えました。また、南アジア、特に近年、活動の地域をインドのブッタガヤ郊外の貧困農村に集中させて、教育支援、就業支援等を行ってきましたが、5年目を迎えて、村も支援から自立へと移る時期となり、当会主導でのプロジェクトも終了を迎えています。
6月に行われました社員総会では、当会の活動の意義が達成できてきたという事と、今後新たな地域を探し、新たなプロジェクトを開始するには、活動費が足りないとの観点から、社団法人を解散するとの決議に至りました。代表である私の力不足のため思うように日本各地の寺院に協力を仰ぐことができず、また東日本大震災の支援にたいする寺院の関心の薄れもあいまって、協力寺院の減少と活動資金の減少が進み、7年目の今年、団体の活動終了を迎えさせていただきたく、お知らせする次第です。
今年4月3~5日で南三陸町の仮設支援の活動を行いましたが、仮設住宅から災害復興市営団地の完成により、ほぼ仮設生活を余儀なくされておられた被災者の方が仮設住宅を出られておりました。今後は災害復興市営団地に併設された集会所を活用して高齢者や子供たちが孤立することのないよう地元の福祉課、社会福祉協議会が活動を強化することが分かり、また社団法人「仏教子ども救援基金」が行ってきた高齢者の「歌ひろば」や子供縁日等もプログラムに入っております。そのような現状からしても南三陸町での当会の活動はその存在意義を終了する時期でもあると決断致しました。東日本大震災で6年間、宮城県南三陸町の支援を継続し、今年の春には、仮設から住宅への移転が完了することまで立ち会えたことは支援者の支えあってのことです。重ねて感謝申し上げます。
またインドで行ってまいりましたブッタガヤ郊外のラフールナガール村における教育、産業支援事業は試行錯誤ではありましたが、5年の期間を過ぎ、一応の区切りをつける時期でもあります。
今まで一度も外国人が入ることが無かった村に支援の手を差し伸べることにより、当会の活動は貧困の連鎖から光を見出す大きな刺激になったと考えております。今後村の事業は当会の活動では終了となりますが、この村のプロジェクト完遂、さらに可能ならば近隣で同様の貧しい村への取り組みが継承されるように、会の代表は個人的に、もしくは他団体の協力を仰ぐ形で引き続き努力する所存です。
最後になりますが、今まで支援者の皆様に振り分けて頂いた温かな優しさが、昨今の不穏な空気が流れる世界の一助になることを強く感じております。皆様と出会えたご縁に感謝し、これからのご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
合掌
社団法人仏教子ども救援基金
代表理事 二神成尊