東日本大震災支援活動
2011年の東日本大震災から4年と半年がたちました。南三陸町の中心部はただただ土砂がうずたかく積まれる風景です。新しい街ができるのももうしばらくかかりそうです。
「歌声ひろば」開催
定期的に宮城県南三陸町の仮設住宅を回り、高齢者を対象に歌による心のリハビリ「歌声ひろば」と子供達に遊びの機会を提供する「子ども縁日」を開催してきました。今回10月にボランティア3人と当会代表が現地を訪問しました。今回15回目の訪問となります。
3日間で5か所の仮設住宅を回りました。今回訪問した仮設住宅の住民の約3割程度がすでに建設された集合住宅、あるいは個人住宅に転居したため、「歌声ひろば」に以前参加していた高齢者の顔が見えない場合が多々あり、喜ばしいことではありますが、少しさびしい気にもなりました。それでも転居してしまった高齢者が「歌声ひろば」が開催されることを聞いて、参加しに来てくれることもあり、主催者としては支援事業を継続してきてよかったという思いです。
集合住宅や個人住宅の建設は今年、来年で終わるように進んでいます。当会が訪問してきた南三陸町のはずれにある歌津地区、戸倉地区は住民の団結が強いという土地柄もあり、土地の買収もスムーズに進み、来年3月までに転居希望の住民全員が新しい住宅で生活をはじめるということでした。しかし仮設住宅に住む住民の中には転居を希望しない方が2~3割もいるということです。その多くが国民年金だけが収入の単身の高齢者、あるいは子どものいない老夫婦の場合だそうです。新たに建設される集合住宅の家賃が最低でも18000円かかり、電気、ガス、水道、電話代を加えると、生活が心配だからということです。現在住んでいる仮設住宅では一切費用がかかりませんから、その差は大きいでしょう。 現在、南三陸町にある仮設33か所からの退去が終了したのち、残った仮設住民を3か所ほどの仮設住宅に集めて、低所得高齢者用住宅とする計画だそうです。そして現在建設中の集合住宅よりも低額の家賃で住めるようにするということ。という事は身寄りのない独居老人の住宅となるということでしょう。
5年間にわたり、訪問を続けてきたため、住民とも顔見知りになり、今後も訪問してほしいと希望されています。ありがたいことです。今後、集合住宅や独居老人用となるであろう仮設住宅の両方で現在の活動を継続し、しばらくそれぞれの高齢者のケアをしていこうと考えています。
「子ども縁日」開催
今回も仮設住宅で高齢者の「歌声ひろば」の傍ら、子供たちのために「子ども縁日」を開催しました。前記のように仮設住宅からの子供の転出も多く、縁日に遊びに来てくれる子どもも少なくなりましたが、現在では特に小さな規模の仮設住宅にはボランティア団体がほとんど来なくなりましたので、貴重な機会を提供出来ています。
なお、戸倉地区にいる64人の小学生は震災で小学校が流されたため、隣町の小学校で授業を受けていましたが、この10月に新校舎が完成し、そこで勉強出来るようになりました。ちょうど訪問した日曜日には、PTA主催のお楽しみ会を新小学校の体育館で行っていました。どの子どもも新しい木の香りのする体育館の中で、ボランティアのマジックショーに一喜一憂していました。子ども達も親もいつになく希望に満ちた顔で我々を迎えてくれました。