1. インド支援活動 ブッタガヤ郊外の貧困農村の教育支援
特別授業の開催
約100世帯で構成されるラフールナガール村(前正覚山麓)で、日本人スタッフによる恒例の特別授業を行いました。
今回は「人間の骨格、関節の動きについて」をテーマに小学生に授業をしました。自分の体の仕組みに関心を持ってもらうのが狙いです。日本の小学校のように骸骨の模型などありませんから、スト ローを教材にして、授業をしました。この村の小学生にとって日本人が行う授業は見たこともないものばかりですから、興味津々で、普段、学校を休みがちの子供たちも顔を出していました。
奨学生の登録と奨学金の支給開始
ラフ―ルナガール村には中学校はないので、子供たちは隣村の中学校に通います。歩いて30分程度です。現在25名がその中学校に通い、残りの25名程度が通っていません。
通っていない子供は家の農作業の手伝いをしています。その子供を中学に通わせるのは、家庭の生活が豊かになり、同時に親子ともども教育に意義を見出さなくては難しいので、とにかく現在中学に通っている、あるいは今年度から通う子供だけは中退しないように奨学金に支給を始めました。小学校の校長先生によると、約半数の子供が中退するとのこと。特に女子がその傾向があるとのことです。
隣村はインド政府によりBSクラス(差別的旧カースト制度でバイシャとよばれる地主クラス)で構成されており、ラフ―ルナガールの住人を小作として使用 しているという関係から、ラフ―ルナガールの住民を見下す傾向があり、子供の間でもそれが見受けられ、そのため子供が学校になじめないという理由。また、 隣村は裕福なため、衣類や文具で差が出てきてしまうことの恥ずかしさから、特に女子が登校したがらなくなるとのことです。また、親が病気になったり、死亡 したりという家庭環境の変化も影響するとのことです。
奨学金の支給方法は毎月、小学校の校長先生が小学校にて子供と親を呼び、前月の中学校の登校の様子をうかがいながら、中退しないように注意しつつ支給することになりました。もし中退した場合には奨学金支給をストップします。校長先生は奨学金支給で中学を卒業する子供は増えると自信があるようでしたが、実際にはやってみないとわからないでしょう。
なお、村には子供を小学校に通わせている母子家庭が5件確認されています。小作という肉体労働で生活をささえている村ですから、男手がないと、収入は激減してしまいます。それ故に母子家庭5件にも奨学金を支給することにしました。
小学校の様子
ラフ―ルナガール小学校の井戸が壊れているため、井戸の掘り直しを計画していますが、業者が思うように動いてくれず難航しています。インドでは当たり前のことですが。
また、現在給食を作るための施設の屋根が壊れて、使用できずにいます。屋根の材料を購入すれば村人で直すとのことですが、そうやすやすと資金の提供をするのはよくないため、様子を見ている段階です。
マンゴーの村作り事業
小作人としての生計だけに頼らないで、各家庭の空き地や共有地にマンゴーを植えて、将来には果実を収穫、加工、販売出来るように指導を始めました。前回のレポートで村人にマンゴーの苗木を提供しても育てないだろうと、このプロジェクトに校長先生は関心を示さないと書きましたが、今回、配布した家庭8件のすべてでマンゴーの苗木が育っていました。どの家庭もレンガやとげのある木の枝で囲いをして、牛に食べられないように工夫していました。
今回の視察でマンゴー栽培のプロジェクトの可能性を感じました。出来ましたら、ラフ―ルナガール村の117戸全部を対象に年内に苗木の配布と栽培指導を行う努力を続けて行きたいと考えています。
2. バングラデシュ支援活動
バングラデシュは、多くの川が流れる平坦な土地という特色上、雨季には大規模な洪水に見舞われ、乾季にはひどい干ばつに襲われます。また、高潮などの影響から土の塩分濃度が上がり、作物を育てることも難しい状態です。地方で生計を立てられなくなった人々が、仕事を求めて首都ダッカに集まり、路上で生活するストリートチルドレンも、未だ30万人程いると言われています。親からの虐待や親の死などの家庭環境から、生きていくために、子どもたちがダッカに集まってくるのです。
これまで、当基金では、このダッカのスラムで暮らす子どもたちへの青空教室(絵本の読み聞かせ)、ストリートチルドレン巡回プロジェクトなどの活動を行ってまいりました。しかし、子どもたちを取り巻く環境は、当然ながら犯罪に巻き込まれる危険を伴い、当基金の活動も警察から快く思われず禁止されるなど、その環境は深刻で、試行錯誤しながらの支援活動を行っております。
デコレーションペンを作る子どもたち
昔、路上で生活をし、現在はEKMATTRAというNGO団体のシェルターホームで生活をしている子どもたちがいます。EKMATTRAとは、渡辺大樹さんという日本人が仲間と共に起ち上げ、現在顧問として活動している団体です。彼はバングラデシュを訪れた際、生まれながらにしてさだめられた這い上がることのできない格差の現実に衝撃を受け、未来への可能性を自由に感じることができる子どもたちを増やしたいという強い信念の基、ストリートチルドレンへの自立活動を中心に、バングラデシュの富裕層への啓発活動も同時に行っている団体です。
現在、当基金では、このシェルターホームに暮らす女の子たちのデコレーションペン作りを通した自立支援に取り組んでいます。デコレーションペンは、以前、当基金がインドの女性への自立支援として始めたものです。
デコレーションペンは、ひとつひとつ手作りでボールペンに装飾していきます。ペンをひとつ作るごとに、彼女たちには報酬が貯蓄され、社会に羽ばたくときに渡される仕組みになっています。
ペン1本につき490円の経費がかかっています。内訳は、材料費(ボールペン本体、デコレーション材料)として80円、人件費300円(デコレーションペンを1本作るのに3日かかります。)現地からの送料が110円です。
彼女たちの未来を変えるデコレーションペン購入にご協力下さい。
490円に当基金からの送料25円を含め、1本515円になります。10本単位でお送りいたしますので、ご協力いただける場合はこちらよりお申込み下さい。なお、在庫が限られておりますので、在庫が終了いたしました場合は、次回の入荷をお待ちいただくことになりますのでご了承ください。