1. バングラデッシュ支援活動
ダッカ市内のストリートチルドレンの支援活動
首都ダッカの線路沿いにあるテスガンスラムは、住民が不法に占拠している土地である上に麻薬が蔓延する場所であるため、現地のNGO(民間支援団体)も支援に入れません。そのため子ども達は学校に行かないどころか、麻薬やシンナーの常習者も少なくありません。そこで私たちは、子ども達の状況把握と学習のきっかけ作りを目的に、絵本を読み聞かせる青空教室を開きました。しかし不法占拠地での活動を快く思われなかったのか、間もなく警察から、外国人が犯罪多発エリアに入らないでほしいと活動を禁止されました。そのためこの活動は、現地警察との連携が取れてから復活する予定です。
現在は、ダッカ市内でストリートチルドレンが多い地区を巡回し、子ども達の傷の手当てや病気にサポートをしながら、特に女の子が人身売買のターゲットにならないように気を付ける「ストリートチルドレン巡回プロジェクト」に移行しました。
2. インド支援活動
ブッタガヤ郊外の貧困農村での教育支援
ブッタガヤの郊外の農村は海外の仏教徒の支援が全く入っていません。その中でも特に貧しく、就学率が低いラフールナガール村を重点的に支援しています。定期的に小学校で就学率を上げるための特別授業と学校の教育設備の充実、村の生活改善のためのマンゴ栽培と加工、乳牛、ニワトリ等の飼育の取り組みを行なっています。
ニューデリーのスラムでの教育環境調査
インドのスラムの環境も改善され、スラムに暮らす多くの子どもも仕事はしながらでも学校に通えるようになりました。ただしその中でも少数のスラムは未だ劣 悪な環境を抜け出せず、学校に行っていない子ども達も見受けられます。現在、特に劣悪なスラムの選定と子どもの状況把握をニューデリーで進めています。
3. ネパールプロジェクト
インドとの国境にある人身売買を取り締まる民間検問所の調査
カトマンズ内の孤児院からの人身売買の撲滅活動
首都カトマンズのスラムは、インド以上に生活が厳しい環境にありましたが、子どもは学校にほとんど通っています。首都ですから子どもに教育を受けさせる意識は高いようです。ネパール農村部は2割程度の子どもが通学していないようですが、5割程度が通学していないインドのラフールナガール村の方がより深刻です。
私たちは、ネパール人女性が貧困でインドに売られる人身売買を、この国の問題として活動の焦点をあてました。現在2つの現地NGOが国境に検問所を設置して人身売買を食い止める活動を行ない、多くの海外のNGOや国連関係団体が資金支援をしています。しかし仏教子ども救援基金のスタッフが覆面調査をしたところ、その両団体とも検問所は設置していても、海外の支援団体が訪問する時だけしか、検問を実施していませんでした。
そのため私たちは、検問所を設置する団体の片方にコンタクトを取り、常時、検問を行うようなプロジェクトの提携を提示しています。
孤児院を利用した人身売買の横行
カトマンズには400以上の孤児院があります。しかしその多くが海外への里子の斡旋業、インド等への人身売買等にして、私腹を肥やす為の道具になっているのではないかという噂が現地であります。この問題のはまだどのNGOも取り組んでいません。仏教子ども救援基金では現在、一つ一つ孤児院を廻り、調査中です。