世界遺産のアンコールワットがあるシェムリアップ州。様々な情報を集め、シェムリアップ市内から少しでも外れると、人々は貧しい生活をしているとのこと。今回はシェムリアップ市内から半径50km以内のエリアの就学状況や小学校などを調査しました。
結果は、かなり僻地の小学校も調査しましたが、どの小学校にも国内外のNGOや他機関から援助がなされていました。校舎や建物を寄付、給食の無料提供、その他様々な援助がされていました。
また各家庭単位でも援助がなされていました。よく見受けられたのはハンドポンプ式の井戸を寄付するというものです。寄付された井戸の横には寄付した方の名前や国籍が載っている看板が立っていますが、日本からの寄付が多く見られました。また農業技術の指導などソフト面でも支援がなされていました。
下の写真は日本のNGOによって寄付された図書館と本です。建物は新しく、図書館内で絵本などを読む子供で賑わっていました。カンボジアの小学校では道徳の授業などはあまり無く、ほとんど国語しか教えないので、絵本などを読むことにより情緒が豊かになるので、図書館があることは素晴らしい事です。
次は食料配給の写真です。食糧配給はWFP(国際連合世界食糧計画)からの援助が多く、米、トマト缶、豆、塩、食用油などが配給されていました。カンボジアの小学校では給食費を徴収する所が多いですが、食料が無料配給されているため給食費も無料です。給食が有料の学校では給食費は1日10円程度ですが、それでも払うのが大変という家庭も少なくありません。左の写真は配給された米で、右はダンボール箱に入ったトマト缶です。
これは家庭単位で寄付されたハンドポンプの井戸です。一つの井戸を掘るのにかかる費用は約15,000円です。農村部では収入源がほとんどなく、ほぼ自給自足の生活をしていますので、これは農村部の人達にとってはかなりの大金です。
これは山間部にある小学校を訪れた時の写真です。この学校はほどんど外国のNGOの援助によって建てられ、運営されています。左の写真は屋根の上にソーラーパネルが設置されており、学校で使う照明や扇風機の電気はこれでまかなえるそうです。右の写真は自転車置き場ですが、家から学校まで距離がある家庭の子供には自転車を無料で貸し出しているそうです。農村部で子供が学校に行けない大きな理由の一つは“学校までの距離が遠い”事なので、これはかなり就学率の向上に役立っています。
様々なメディアで“シェムリアップ州でも農村部には学校が不足している”と言われていますが、実際にはこのように主に国外のNGOの支援により教育環境はかなり整いつつあります。しかし、他州にはまだまだ教育環境が整っていない地域が多く残っているはずですので、詳しく正確に調査していこうと計画しています。
以上
仏教子ども救援基金
ボランティア
坂谷 拓実