今回のコンポンチュナム州の調査で、計9人の就学適齢期なのに就学していない子供を見つけました。通学していない理由は、ほとんど全員が「自宅から学校が遠い」からです。それに加え様々な理由があります。自転車が故障している、給食費を払うのも大変、学校近くの親族の家に子供を預けようとしたが都合上無しになった、などです。また9人の内一人は耳が聞こえず、話せないため通学していませんでした。
しかし、「学校までの距離」と「未就学率」は比例していないと感じました。9人の内、4人は学校までの距離がそれほど遠くなく、2人は十分に通学可能な距離です。通訳の方も言っていましたが、これは親の就学させようという意識の問題です。
それに比べ、学校までの距離が5km以上ありそれが悪路だったり、毎日片道二時間かけて歩きで通学しているような子供がかなり多くみられました。
NGOの方の話や、小学校の先生の話では山岳地帯に近づけば近づくほど学校に行っていない子供がいるとの話でしたが、通学していない9人の子供の家は山岳地帯よりかなりコンポンチュナム市内方向でしたし、山岳地帯の麓もかなり調査しましたが、一人も未就学児は見つけることができませんでした。
これらをふまえて私が感じたのは、コンポンチュナム州の田舎に未就学児は多くはありませんがいます。しかし、就学していない理由は金銭的問題、学校への距離、労働を強いられているなどではなく、親の子供を就学させようという意識の問題だと感じました。
以下が就学していない計9人の子供の紹介です。
次に小中学校に関する調査の報告です。
小学校は5〜8km間隔にありました。中学校は小学校に比べ数が少ないため、中学校間の距離もかなりあります。下の図は小中学校に黄色いピンマークをつけた地図です。
また、全ての学校にではありませんが、多くの学校に様々なところから寄付や援助が入っていました。コンポンチュナム州のNGOから日本の個人まで色々な人が、色々な寄付や援助をしていました。
コンポンチュナム州の一地域においては、様々な支援の手が入り、報道されているような状況は改善されていることが分かりました。ただもし、他の地域などで情報などあればお知らせ下さい。
次は貧困度が高いと言われるシェムリアップ州に入り、子どもの教育環境の調査に入る予定です。
以上
仏教子ども救援基金
ボランティア
坂谷 拓実