会員の皆様には重ねての温かいご支援を賜わり、厚く御礼申し上げます。 2011年12月23~25日に行いました大震災被災地への支援活動について、ご報告申し上げます。
活動としましては、宮城県の女川町・北上町・南三陸町・気仙沼市、岩手県の陸前高田市・大船渡市の各仮設住宅を回り、段ボール100箱分の支援物資と支援金にて購入した台所用品(台所洗剤・クレンザー・ラップ・アルミホイル・スポンジたわし)400セットと、子ども用のお菓子の詰め合わせ120人分を配布致しました。
物資を千葉から仙台まではJRコンテナで運び、そこから樹木葬会員の小林さんと合流して2トントラックで現地に赴きました。23日に現地入りし、24日に女川町の仮設住宅2ヶ所と北上町の仮設1ヶ所、南三陸町の曹洞宗の被災寺院を訪問し、25日に気仙沼、陸前高田、大船渡の仮設住宅を回りました。
支援対象地は、仮設住宅が最も遅れて建設された場所か、町の中心部から離れた場所のどちらかで選定しました。その理由は、夏以降に建設された仮設住宅は支援者の減少から支援物資の配布が行き渡っていないこと、また中心部から離れた場所は、支援団体の訪問から取り残されやすく、日用品の買物に不便だからです。
女川町は左右後方を山に囲まれた地形のため、波がほとんどの家屋を押し流してしまいました。現在、瓦礫は撤去され、空き地だけが残されていますが、海岸近くは地盤沈下で、写真のように海水が流入していました。女川町では町はずれの仮設住宅、桐ヶ崎仮設住宅23戸と第3小学校グランド跡地仮設住宅25戸を訪問しました。どちらも住人の多くが不在のため、在宅していた方に物資の配布を託しました。
次に海岸沿いを北に進み、となりの北川町の外れにある相川総合グランド仮設住宅41戸を訪問。ここではちょうど住民の方が会合を行っていましたので、住宅前に支援物資を並べ、ひとり5点ずつ取ってもらいました。また、留守の方への台所用品セットとお菓子の詰め合わせの配布をお願い致しました。
次に南三陸町にある大雄寺というお寺を訪ねました。このお寺は幼稚園を運営していましたが、施設がすべて流されて、現在は高台の小学校を間借りしています。この幼稚園の保護者も仮設住まいです。幼稚園がお休みの日に訪問したので、後日、幼稚園で支援物資を配布して頂くようお願いし、子ども用の支援物資を中心に託しました。
翌25日は朝から雪で、訪問地までの道は凍結し、車があちこちで立ち往生し、大船渡まで4時間もかかりました。大船渡は湾の入り口が狭く、津波の勢いが少し落ちたためか、流された地域は町の3割ほどで、流されなかった地域は商業活動が復活していました。港の修理も急ピッチで進められており、町には活気が戻り始めているようです。ここでは戸数50の猪川小グランド仮設住宅を訪問。不在の方が多く自治会長が留守のため、直接配布は断念。支援物資を関係者に託しました。
次に陸前高田市を訪問。ここは女川町、南三陸町と同様にほとんどの建物が流され、焼け野原のような状況で、港の再建はいつになるか分かりません。ここでは戸数28の高畑仮設団地を訪問。自治会長宅に28戸分の台所用品セットとお菓子セットを手渡しました。その他の日用雑貨品は、平等に配布できないからと受け取られませんでした。
たしかに雑多な日用品の配布は、その時に在宅の方が対象となるので不平等感が出ます。そして何よりも手間がかかるので、一般に行政や大きな民間団体は、全国の家庭から支援物資を集めて被災地支援に活用するという方法を採用しません。
しかし天徳寺が支援物資を集めては被災地に配布しているのは、私たちのような小さな団体が、お互いの手の届かない範囲を補い合う形で支援の手を差し伸べた方が、どの被災者にも支援物資が行き渡り、不平等も解消されると考えるためですし、例えば座布団が5枚しかなければ1枚も配らない方が良いかといえば、本当に必要とする誰かに届けようと被災された方同士が譲り合う場面に遭遇してきた経験から、その可能性を潰したくないと考えるためなのですが、受け取りを拒否された自治会の方には、こちらの意図が充分に伝えられずに残念でした。
最後に訪問したのは、気仙沼の小泉中グランド仮設住宅91戸です。ここを訪問したのは夕方近くのため帰宅している方も多く、集会所前で配布を行いました。配布場所はバーゲンセールの会場のように、日用雑貨品を物色する方で賑やかでした。食器や服を両手いっぱいにしたおばあちゃんは「あぁ、久しぶりに楽しかった」と仰っていました。バザーは確かに早い者勝ちの不平等とも言えますが、欲しいものの取り合いから一種のストレス発散の娯楽にもなります。
また後日、このようなお手紙をFAXで頂戴しました。個人情報を除いて原文をそのまま記します。
12月23日、宮城県気仙沼市本吉町にある小泉中学校仮設にご支援いただき、ありがとうございました。
小泉地区は高齢者で、車のない人が多く、買い物に出ることもむずかしい方がおります。そんな情況ですので、貴団体からの支援は、本当にありがたく思いました。私は仙台市におりますが、実家が小泉地区で、23日はたまたま帰省しておりました。家族は、マフラーや足ふきマット、お茶までちょうだいしました。届けて下さった方々がとても温かい方々で、物資だけでなく、温かな気持ちまでいただけました。
もし、次回があるのであれば、同じ小泉地区にはまなすの丘仮設があります。奥まっており、支援が行き届かない現状がありますので、そちらへも足を運んでいただけると幸いです。この施設(・・・)にうちの両親がおりますので、窓口が必要であれば使って下さい。 寒い中、気仙沼に来て下さったことに感謝いたします。
みなさま、かぜなどひかずに千葉に戻られたかが気になります。 どうか、よいお年をお迎え下さいますように。… |
今後もこの配布活動は、継続させていただく予定です。仮設住宅を訪問する際によく言われるのは「物資は少なくてもかまわない、わざわざ遠くから無縁の方が来てくれるのが有り難いです」というお言葉です。小さい団体が足しげく現地に赴く意味はそこにもあると考えます。なお今後も、日用雑貨の配布活動を継続いたします。どうぞご提供のほど、よろしくお願い申し上げます。
天徳寺住職 二神成尊 合掌